なぜ山登り・登山で疲れるのか?その原因とは何か
人体のエネルギー供給の仕組み
人間が体を動かすにはエネルギーの供給が必要です。エネルギー源を補給し体内で必要なエネルギーに変換する仕組みを解説します。
筋肉はATP(アデノシン三リン酸)が分解される過程でエネルギーができる
ATPはエネルギー通貨とも言われ、エネルギーの放出・貯蔵、あるいは物質の代謝・合成の重要な役目を果たしています。ATPは酸素(H2O)と反応し、ADP(アデノシン二リン酸)や AMP(アデノシン一リン酸、アデニル酸)、リン酸、ピロリン酸に分解されます。
分解されたADPとリン酸は炭水化物と脂肪が燃焼分解されることによって再合成され再びATPとなり酸素と反応しエネルギーを放出します。
つまり酸素と食料と水があり体内に糖とグリコーゲンがあれば有酸素運動が続けられるということです。
登山のばて(疲労)は血糖とグリコーゲンの欠乏により生じる
登山・山登りにより血糖値が低下するとばて(疲労)が生じます。エネルギー源の血糖が少なくなると脳もぼーっとして意識がもうろうとなり正常な判断ができなくなります。同時に体を動かすこともできなくなってくるのです。
どうすればばて(疲労)が回復するの?
低血糖によるばては糖質を補給し血糖値を上げることで回復します。ばてる前に炭水化物を食べることが肝心です。
筋肉のばて(疲労)は?
ばてにはもうひとつあり、筋肉が痛くなって太ももなどを動かせなくなることです。これは筋肉に乳酸が貯まることで生じるといわれています。
無酸素運動で筋肉のばてが生じる
腕立て伏せやスクワットをするとすぐに手足が動かなくなるのが筋肉疲労です。無酸素運動をすることで筋肉に乳酸が貯まり痛みが生じます。山登りの最初から速いペースで登ることはすなわちグリコーゲンを使い果たし乳酸を貯めることを意味しています。