山登り・登山でばてるとは?初心者の登山知識
誰もが山登りで疲れて足が動かなくなった経験はあるでしょう。しばらく休むとまた動けるようになり、初心者の山登りは動けなくなっては登るの繰り返しである方もいらっしゃることでしょう。
山登りでばてるとは?
国語辞典を調べてみると、ばてるとは、俗語で「疲れ果てる」を語源として略してばてる、「疲れて動けなくなること」を意味しています。無酸素運動をした後に起こりやすいですね。そして多くの登山者にとって疲れ果てて登れなくなってしまうことは心配の種でもあります。
「この山はばてずに登れるだろうか?」
「健脚コースと書いてあるけど心配。」
「勾配がきついと地図にあるけど・・・最短距離。」
「動けなくなったらどうしよう。」
山登りでなぜばてるのか?
山登りでばてる原因その1。心拍数が限界まできている。
多くの人が途中で足を止める原因がこれだと思います。自分の体重を足の筋肉だけで上に持ち上げるのですから、数十キロを片足で持ち上げるなんて考えてみれば無理な話です。30kgの米俵でさえ持ち上げるのがたいへんなのに50kg以上の自分を上に片足だけで上げるなんてたいへんなことです。このタイプの人は太っているか筋肉が弱い人によく見られます。太っているのはもうどうしようもないので山登りはあきらめて高低差の低いコースを歩かれることをおすすめします。
山登りでばてる原因その2。血中のエネルギーが欠乏した。
血液に糖分が十分入ってなくて筋肉など全身にエネルギーを供給できていない状態のことです。これは脳もふらふらになりますから気分も悪くなり悪寒もすることでしょう。小食の人や食事抜きで山登りやハイキングをする人は危険です。食事をとれる場所までかなりの時間がかかる場合も危ないです。脳もエネルギーがありませんので正常な判断ができなくなるおそれがありますので休んだら途中でも下山をおすすめします。
山登りでばてる原因その3。体力不足。
普段あまり運動をしない人や高齢であったり、肉体的に弱っている状態が原因の場合です。この状態ではもう登山はできませんのでやめておいたほうが安全です。生活スタイルそのものが登山とは無縁である場合は初心者コースといえどもやめておいたほうが無難です。
山登りでばてる原因その4。ペースが速すぎ。無謀なスケジュール。
さっさと人を追い越して登っておられる方は要注意です。速いペースで登山と下山をしますと脳や心臓などの血管が破れる危険があります。体力に自信があるからと最速を狙って行かれる人によくあるパターンです。余裕のある工程を組み、休憩はたっぷりとりましょう。結果として誰よりも長く休まざるをえなかったり、病院のお世話になることになり最悪の場合は命の危険に晒されます。
山登りでばてる原因その5。気圧が高くて酸素不足。
いわゆる高山病です。高山病はダイビングで海中に潜るのと似たようなリスクがあります。あまりに高い山にいきなり登ると酸素が足りなくて脳にエネルギーが供給されず精神や肉体に異常を来して意識が朦朧となります。最悪の場合目が悪くなったり意識を失うおそれがあります。高山病に体力や年齢は関係ありません。睡眠不足や疲労が蓄積していたり栄養不足の人は要注意です。
山登りでばてる原因その6。暑さ寒さでばてる。
これはいくら体力があっても人間の限界を超えた暑さや寒さでは対策をしてもしなくてもばてます。暑い場合はすぐのどが渇きますので持ってきた水がなくなると命の危険に晒されます。熱中症になれば動けなくなってしまうどころか命の危険があります。寒い場合も同様です。汗冷えして寒さで心臓が痛くなったりした場合は無理せず下山すべきです。寒い場合は眠ってはいけません。寒い時にばてて疲れたと休んで眠るとそのまま凍死や肉体の一部が壊死します。過酷な気候の時は山に登ってはいけません。
山登りでばてる原因その7。病気や体調が整ってないのに登る。
インフルエンザなのに山に登るとか、風邪をひいているのに登山するなど言語道断です。睡眠不足や疲労でも同様です。体調が悪いときに山登りをしてはいけません。当たり前のことですが、それが守れない人もいるのです。夜勤の人も同じで朝方にサーカディアンリズムが戻るまでは朝から登ってはいけません。
山登りでばてる原因その8。付き合いで登山してばてる。
会社で登山に誘われたとか、学校で登山を強制されたとか、登山しないと悪い扱いを受けるとか、仕事で体力に見合わない山に入らされるなど強要されて嫌々登山させられるケースです。精神的に参ると体が動かなくなります。登山仲間の誘いを断れない場合もそうです。プロやベテランだからといって身分の上の者が下の者に登山を誘うことはおすすめしません。本当の登山の山岳プロならそのような誘いはしないでしょう。誘い断ったら逆切れされて虐げられるという恐怖から嫌でもOKして笑顔を見せて付き合って不快な思いをしてしまうのです。精神的な苦しみは肉体の苦しみとなって表れます。
山登りでばてる原因その9。水や食料の準備不足でばてる。
体重が重い人ほど水や食料の必要量は多くなります。とくに太っている人は痩せているひとの何倍もの水分を必要としますので、脂肪が多い人は日帰りで水を2Lくらいは持って行きましょう。特に暑いと2Lでは足りなくなりますし、糖質や塩分ミネラルも同時に摂らなければいけません。水分や食料がもたないと予想される場合はあまり難しい山はやめておきましょう。